人事労務の「作法」

企業の人事労務課題を使用者側の立場で解決します

051.入社式直後の集合研修は重要です

明日4月1日には、多くの企業で入社式が行われることでしょう。コロナ禍から脱却し、以前のような対面での活気ある入社式を期待しています。

ところで、入社式の後はどのようなスケジュールを組んでいるでしょうか。一般的に入社式は1時間程度ですので、終了後は昼食会や先輩社員との懇談会を行うのも良いでしょう。ただし、「お客さん」としての扱いはここまでで、少なくとも次の日からは社員として必要な知識を身につけるための研修を行いましょう。

いきなり各部署に配属して、OJTを行う企業もあるかも知れませんが、受け入れ先によって指導の仕方や密度が違う恐れがありますので、先ずは人事が主体となって基本的な事項についての集合研修を行うのが効果的です。期間は長過ぎず短過ぎず、1週間程度が適当です。メニューは各企業で思考を凝らすのが良いですが、大筋として以下を目的とした内容にしましょう。

1.経営理念、方針の理解

これを無くしてその会社の一員になったとは言えません。

2.事業内容、各部署の役割の理解

会社事業が如何に社会に貢献しているか、その貢献をするために各部署がどのような役割を果たしているかを理解することは、従業員エンゲージメントを高めます。

3.規程、ルール等の理解

就業規則や各種システム等の運用ルールの理解は、コーポレートガバナンスを維持するために最低限必要な事項です。

4.同期生同士のコミュニケーション活性化

長期に亘る協力関係を構築できるよう、研修ゲームなどでお互いを知り合うきっかけを用意することも必要です。

以上のように、割と堅い話で座学が中心となりますが、このような体系立った研修を受けられる機会は、入社式直後以外にはなかなか用意できませんので、研修ゲームなども取り入れて集中力を維持できるように努めましょう。

職種によってはビジネスマナー研修を取り入れるのも良いですし、インストラクターを呼んでストレッチ体操を行うのも集中力維持には効果があります。

このようにして1週間の研修が終わる頃には、筆者の経験上、入社式直後に比べて見違えるほど成長した新入社員の姿を見ることができます。

 

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