人事労務の「作法」

企業の人事労務課題を使用者側の立場で解決します

006.親孝行なのはわかりますが、

ある年の新入社員から給与の振込口座の届け出があった際に、その社員の名前とは違う口座名義が記載された届け出がありました。

確認すると、親に仕送りしたいので、給与の一部を親の口座に振り込んで欲しいというものでした。

なるほど、親孝行で感心するのですが、残念ながら親であっても本人以外の口座には振り込みできないことを説明し、納得してもらいました。

賃金の支払いについては労働基準法第24条で、①通貨で、②直接労働者に、③全額、④毎月1回以上、⑤一定の期日を定めて支払わなければならないという、「賃金支払の五原則」が定められています。

直接払いの例外で、妻などの使者に支払うことは可能ですが、一般的には口座振り込みが普通ですので使者に現金で支払うことはありません。そもそも、口座振り込み自体が通貨払いの例外です。

最近では電子マネーによる支払いも可能となり、例外が増えてきました。従業員の利便性を考慮すると、そのうち仕送り払いも可能になるかもしれませんね。