人事労務の「作法」

企業の人事労務課題を使用者側の立場で解決します

こんなときは(労働条件)

056.ジョブ型雇用の未来

先月、ジョブ型雇用で働く人に対する、別の職種への配置転換命令が可能かどうかを争った裁判で、労働者の同意がない状態での一方的な配置転換命令は違法とする最高裁判決が出ました。一審、二審では、職種限定の黙示による合意はあったが、配置転換命令は労…

044.フリーランスとの契約には気を付けて

フリーランスとして働く人が増えているようです。 フリーランスとは、企業等に所属しないで、個人で仕事を請け負う働き方の事です。ある調査では、1000万人以上がフリーランスとして働いていて、主な業種は、デザイン制作、インストラクター、配達、建設作業…

030.所定労働時間は何時間ですか?

労働時間に関し、法定労働時間と所定労働時間の違いを理解しているでしょうか。 法定労働時間とは、労働基準法32条で定める「1日8時間、1週40時間」の労働時間の上限のことをいいます。この時間を超える労働に関しては、時間外労働の割増賃金支払い義務が生…

028.自転車通勤には気を付けて

コロナ禍において、通勤ラッシュの密を避けるため、自転車通勤が注目されました。また、ちょうど健康志向やCO2削減の風潮とも相まって、一種のブームともなっています。 自転車通勤といえば今までも、最寄駅まで自転車でというケースはよくありましたが、最…

024.労働時間の意味を正しく理解しましょう

労使間でトラブルの原因となる事案の一つに、労働時間の問題があります。従業員から未払い残業代を遡って請求されたという話も時々聞かれます。 労働時間とは、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」であり、実際に労働している時間の他、指揮命…

021.定年後の待遇決定の悩み

今年7月20日に、定年後再雇用職員の待遇差を争った最高裁判決(名古屋自動車学校事件)が出ました。 判決では、定年後再雇用職員の基本給および賞与が、定年前の正規職員時の60%を下回り、旧労働契約法第20条違反であるとした一審、二審を破棄し、高裁に差…

020.副業・兼業解禁の第一歩

社会の流れに沿って、副業・兼業を解禁しようとする企業にとって、一番気がかりなのは労働時間の通算問題ではないでしょうか。 労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算され、勤務先が2箇所の場合でも、「1日…

019.副業・兼業を認めますか?

2018年に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定し、副業・兼業を推進する方針に転換したように思われます。副業・兼業を禁止した従来のモデル就業規則からも、その条項が削除されています。 日本企業は元々副業・兼業については消極的…

018.裁量労働制は最良の制度なのか

2024年4月より、裁量労働制に関する改正法が施行されます。 裁量労働制には、専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制がありますが、適用される人数が多い専門業務型裁量労働制とは、「業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる…

013.年次有給休暇取得していますか?

2019年4月より、年間10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年5日については使用者が時季を指定して付与することが義務化されました。 労働者にとっては気兼ねなく休めるのは喜ばしいことですが、使用者としては代替要員の確保などやり繰りに苦…