こんなときは(人事制度)
今回は、人事評価の二つ目の要素である「行動」について考察します。 前回、行動要素については、コンピテンシーという概念で捉えるということを述べました。コンピテンシーとは、一般的には優れた成果を出す人に共通の行動特性という定義がされています。 …
評価制度を構築する上で、何を評価の要素として取り入れるかは、制度の根幹に関わる部分です。 045の記事において、人事評価の要素は「能力」、「行動」、「成果」、「情意」にある事を述べました。今回はこれらの評価要素について考察します。 先ず、一つ目…
人事評価は人が人を評価するものであり、評価者の感情や主観がどうしても入り込み、適切な評価が妨げられることがあります。このような評価の誤りを評価者エラーと呼びます。 代表的な評価者エラーは以下の通りです。 ①ハロー効果……際立つ特徴に目を奪われ、…
評価ランク決定の方式として、相対評価とすべきか絶対評価とすべきかという選択の問題は常に悩むところでしょう。 相対評価とは、能力や成果について、他者との比較で評価ランクを決定する評価方式です。例えば、上位5%の人がSS、続く20%の人がS、続く50%の…
今回は、評価ランクを設定する上での工夫について説明します。非常に些末な事ですが、ひと工夫する事で人事制度の目的である人材育成にも貢献でき、今後の見解を展開する上で何度も登場する事柄ですので、敢えて今回のテーマとして取り上げました。 評価ラン…
今回からは、人事制度を構成する二つ目の要素である評価制度について考察します。 評価制度に基づいて行う人事評価は、社員の処遇決定のツールですが、それだけに特化し過ぎると必ず不満が出てきます。厳しい評価をする事で社員のモチベーションが低下するこ…
働かないおじさんに批判が集まっているようです。 働かないおじさんとは、休憩が多い、新聞やインターネットばかり見ている、居眠りをしているなど、本当に働かない人だけでなく、真面目にコツコツと仕事をするが、新しいことにチャレンジせずに決められたこ…
今回は、前回示した複線型人事制度を盛り込んだ職能等級制度と役割等級制度の等級定義の仕方について考えます。 前回示した体系図において、一般社員層には職能等級制度を適用します。先ず、各等級における人材の定義を明確にします。例えば、入社したばかり…
複線型人事制度とは、一つの企業のなかに複数のキャリアコースを用意し、各社員の志向や適性に応じてコースを選べる制度の事です。 複線型の構成は各社の事情により千差万別ですが、キャリア志向面での区分としては、業務の中核を担い、責任と全国規模の転勤…
前回までの解説で、人事制度の枠組みとしては「能力成果主義」が最適であるとの指摘をしました。よって、今回はこの前提に基づく等級制度の在り方について考察します。 能力成果主義の下では、若手から中堅層までは能力の伸長を重視した能力主義を展開するこ…
今回は三つの等級制度の詳細について解説します。 ①職能等級(或いは職能資格)制度 職務遂行能力の伸長段階によって等級区分する制度です。1960年代の高度経済成長期に普及し、現在でも広く採用されています。 職能等級制度では、等級と職務内容または役職…
今回からは、人事制度を構成する要素の一つである等級制度についての見解を示します。 人事制度における等級とは、一定の要件で従業員を区分・序列化し、権限や責任、処遇などに結び付ける基準となるものです。そしてこの等級は、人事制度を構成するほかの要…
今回は、能力主義と成果主義それぞれの良い点を取り入れたハイブリッドな仕組みの人事制度の構成について論じます。 日本では最近急速にジョブ型雇用が普及し始めていますが、学校教育システムが従前のままだと、新卒一括採用で総合的な能力の向上を目指すメ…
今回は能力主義と成果主義の違いを解説します。 能力主義とは、業務遂行上の能力を評価基準として処遇に反映する「人基準」の制度です。能力主義における能力とは、知識・経験などのインプットされた保有能力(職務遂行能力)のことを指します。 能力主義の…
人事制度構築の前提として「目指す人物像」が明確になれば、そこに至るまでの段階を何をもって等級付けし、どのような基準で評価し、何に対して賃金を支払うのかを考察します。人事制度が主に等級制度、評価制度、賃金制度から構成されていることから、この…
人事制度とは、広義には企業が経営目標を達成するために人材を管理する仕組みのことで、主に等級制度、評価制度、賃金制度の処遇決定の仕組みを包括した呼びかたです。そしてこれらは相互に関連し合い、一つの方針に基づいて構築されるものです。 人事制度を…
労働契約法の改正により、2013年4月以降、有期労働契約が更新されて通算5年を超えたときに、労働者の申し込みによって無期労働契約に転換できるルールができました。 契約社員などの有期労働契約で働く人にとっては、雇止めの不安が少しでも解消する点では進…
役職定年制を導入している企業の割合は約30%で、大企業ほどその割合は高くなっています。 役職定年制とは、部長や課長といった役職に就いている社員が、一般的には50歳代半ばの所定の年齢に達した時に、その役職を離れる制度をいいます。役職定年制が普及し…
フレックスタイム制を導入する際、コアタイムを設けるかどうかは議論になるところです。 コアタイムを設けない所謂「スーパーフレックスタイム制」においては、清算期間内であらかじめ定められた時間働けば、何時に業務を開始し、何時に業務を終了しても良い…
コロナ禍において、満員電車を避けるために時差出勤制度を導入する会社が増えたことでしょう。 時差出勤制度とは、満員電車を避ける目的だけでなく、育児や介護、その他個人のライフスタイルに合わせて、あらかじめ定められた出社・退社時刻のパターンを選べ…
戦後の高度経済成長を支えたのは、終身雇用、年功賃金、企業別組合を3種の神器とする、日本的雇用慣行にあると言われています。 日本的雇用慣行の元では、新卒一括採用を行い、OJTによってその会社でしか通用しない知識経験を積ませた、いわゆるゼネラリスト…